3月に植えるおすすめ野菜
春に向けて栽培する野菜の魅力と特性
気温が少しずつ上がり、本格的な家庭菜園のシーズンが始まります。春に種をまく野菜は生育が早く収穫までの期間が短く育てやすいのが特徴です。葉物野菜から根菜、果菜、豆類などバリエーション豊富なのも嬉しいですね!苗より難易度が上がる種から始めるメリットは、とても安価でできるということ。苗をいくつも買うと思ったより高価になることを考えれば、チャレンジを前向きに考える余地はあるのではないでしょうか。3月にまくのは春から初夏にかけて収穫できる野菜です。露地栽培はもちろん、プランター栽培で手軽にできるものもありますので、機械があったらこの機会にチャレンジしてみてくださいね。
気温に合わせた作物選び
この時期の種まき、外はまだ寒いですね。野菜の発芽適温はそれぞれ違いますが、キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科は15℃程で、種のまき時は2月から3月中旬頃。ナスやピーマン、きゅうり、トマトなど果菜やとうもろこしや枝豆など夏野菜の発芽適温は25℃~30℃程。種のまき時は3月下旬頃からがおすすめです。
3月に最適な種まきの時期
一例をあげると
3月上旬
じゃがいも、キャベツ、ブロッコリー、アイスプラント
3月中旬~
にんじん、大根、ごぼう、ラディッシュ、小松菜
ほうれん草、小カブ、セロリ、唐辛子
3月下旬~
ピーマン、ナス、トマト、きゅうり、オクラ
とうもろこし、ズッキーニ、アスパラ
といった感じですが、春の気温が安定しないこともあります。発芽適温になるように加温器具を使ったり、覆土やマルチをするなど工夫しなくてはなりません。それが難しい場合は耐寒性があったり発芽しやすい野菜が作りやすいです。例えばほうれん草や小松菜、レタス、ラディッシュは初心者でもつくりやすい野菜といえるでしょう。
以下は例えばほうれん草を育てる場合です。
3月中旬の種まきと目安
発芽適温:15℃~20℃
生育適温:15℃~20℃
種はそのままだと発根しにくいので、半日~1日水に漬けた種を水で濡らしたキッチンペーパーなどで包んで冷蔵庫に入れ2、3日待ち発根させましょう。根が出ていなければ1、2日延長してください。
(露地栽培の場合)
・種まきの2週間前までに苦土石灰(土壌酸度:pH6.5~7.0)をまいて深く耕しておく
・1週間後に完熟堆肥、化成肥料を土に混ぜ込む
・高さ5、6cm、60~90cm幅の畝を作り、15cm間隔に深さ2cmほどの溝をつくる
・溝に処理した種を1、2cm間隔でまいていく
・土を1cm程かぶせて種が浮いてこないように押さえる
・たっぷりと水を与える
(プランター栽培の場合)
・プランターに鉢底石を敷き、野菜用培養土を入れる
・苦土石灰や有機石灰をかけてすきこむ
・深さ1cmほどの溝を10~15cm間隔でつくり、1cm間隔で処理した種をまく
・土を約1cmかぶせて種が浮いてこないように軽く押さえる
・たっぷりと水を与える
種まき後乾かさないように水やりをします。発芽後も、土の表面が乾いていたら水やりを忘れずに行ってください。水やりは朝方の涼しい時間帯に行います。
3月下旬の栽培管理
5~7日後芽が出たら1回目の間引き。本葉1~2枚出たら株間が3cm程度になるようにします。2回目の間引きは本葉3~4枚の時。株間を6cmくらいにします。
POINT! 株間が狭いと大きく育たなかったり病害虫の原因になります。また、間引いた株はベビーリーフとして使えますので思い切って抜きましょう
(露地栽培の場合)
間引き後は追肥をしてください。化成肥料の場合、1平方メートル当たり50グラムをばらまきます。この時、肥料がほうれん草にかからないように注意してください。
(プランター栽培の場合)
野菜培養土を使っている場合、基本的には追肥は必要ありませんが葉の色が悪かったり、生育が悪かったら油かすや液体肥料を与えてください。
草丈10cm程度からは晴れの日の午前中に1度水をやり、日が落ちる頃に葉が乾いている状態のが理想です。草丈が20センチを超えたものから収穫します。30cmを超えると葉が硬くなったり味が悪くなってしまいます。
気温と温度管理のポイント
ほうれん草が健康的に育つ温度は10~20℃で冷涼な気候を好みます。25℃以上になってしまうと生育が抑制され、立枯病や根腐病などの病害が発生しやすくなりますので、高温が続く時期に育てないようにしましょう。
人気の野菜品種
3月に種をまく野菜には、ニンジン、ダイコン、ラディッシュ、ジャガイモ、キャベツ、小松菜、ピーマン、ナス、キュウリ、トマトなどがあります。
全ての野菜を種から育てることが出来れば素晴らしいことでありますが、発芽管理の繊細な種、また種から順調に生育しても実るまでの耐病性の不安や、作付け予定面積と種1袋の内容量が許容本数(量)をはるかに超えている場合が多分にあります。
そこで、苗から植え付ける方が簡単で育てやすいため、苗があるものに関しては、苗からスタートすることをおすすめいたします。
種:ニンジン、ダイコン、ラディッシュ、ビーツ、里芋、 生姜、じゃがいも、小松菜、ルッコラ
苗:ナス、ピーマン、キュウリ、トマト、ハーブ類、かぼちゃ、 ブロッコリー、うり類 など
※種の販売を並行している品種もございます。
家庭菜園で育てる野菜編
菜園で育てる場合、
①たくさんの野菜を育てられる
②自然に近い環境で育てられる
③水やりの頻度が少なく済む
④土と触れ合う喜びを体感できることがメリットとなります。
反して広いスペースの確保や近隣に菜園がないので管理が難しいなど、また天候に左右されやすいことがデメリットとされています。
ダイコン:爽やかな味わい・・・春ダイコン★★
畑の準備:水はけのよい畑で石などを取り除き、良く耕します。
1㎡当たり ①たい肥2㎏ ②苦土石灰100g ③化成肥料50g
種まき:発芽適温 15~30℃ 生育適温 15~30℃
約2㎝の深さに種をまき、2~3回にて間引きを行い、本葉5枚までに1か所1株にします。
最後の間引きの時に株元へ土寄せをします。種まき後に雨で土の表面が固まり、発芽しないことがあります。
収穫:種まきから約60日前後で収穫ができますが、生育後半に気温が高くなると生育が一気に早まります。早めの収穫をおすすめいたします。
ニンジン:甘みのある春ニンジンを楽しもう!!
畑の準備:良く耕してうねは水がたまらないように平らにします。
1㎡当たり ①たい肥2㎏ ②苦土石灰100g ③化成肥料50g
種まき:発芽適温 15~25℃ 生育適温:15~25℃
約1㎝の深さに種をすじまきし、薄く土をかけ手のひらで軽く押さえます。生育に応じて間引き、本葉3~5枚頃までに約10㎝の株間に植えます。
発芽まで10日位かかりますから、その間は乾燥しないように注意が必要です。
最後の間引きの時に、1㎡当たり50gの化成肥料を施し、風で苗が振り回されないように軽く土寄します。株間を一定にすることと初期の雑草防止は行いましょう。
収穫:100~110日前後
プランターで育てる野菜編
プランター栽培はなんと言っても、家庭菜園の楽しみをお住いを中心として気軽に楽しめること気軽さが近年、人気の野菜つくりとなっております。
①場所を選ばない
②手軽に始められ楽しめる
③管理しやすい
④天候影響の軽減ができる
などメリットとなります。
しかし、水やりの頻度が高い・・・収穫量に限りがある・・・夏場の温度管理に注意が必要などデメリットがあることも十分に理解しておくことも大切です。
土づくりから始めるのは難儀です。プランター栽培ではミネラル豊富、原材料にこだわった最高級培養土
「グリーンファームオリジナルお花屋さんの土」をご活用ください。
原材料にこだわり、根の張りが良く初期から生育が非常に良いのが特徴です。
ラディッシュ:二十日ダイコンと呼ばれるほど収穫が早くお手軽野菜
プランターの準備:プランターに鉢底石を敷き、培養土を入れます。土を押し込まずにプランター側面を叩き、土を落ち着かせるようにしましょう。(縁から2㎝位の土のない余白を)
種まき:発芽適温 15~30℃ 生育適温 15~25℃
すじまきか、ばらまきで行います。
すじまきの場合、深さ1㎝程度の溝を作り、溝に1㎝間隔で種をまき両側から指でつまむよう土をかけ、手で軽く押さえます。
ばらまきの場合は、1~2㎝間隔を目明日に土全体にパラパラと均一にまき、すじまきと同様に土をかけます。
種まきの後、プランターの底から水が流れるくらい、十分な水やりをします。
プランターを風通し&日当たりの良い場所におき、発芽前に種が乾かないように注意しましょう。
双葉が開いたら、約3㎝間隔に間引きます。元気のあるものを残し、左右から土を軽く寄せ
倒れるのを防ぎます。最初の間引きから1週間ほどで本葉が2.3枚になったら、約6㎝間隔
に2回目の間引きをします。間引き後は、化成肥料10g程度まき、左右から土寄せをします
水やりのタイミングは、土の表面がかわいたころたっぷりおこないましょう。
(過湿の状態が続くと生育悪くなります。)
収穫:種まきから25~30日をめどに、本葉が6.7枚、根の直径が2~3㎝になったら収穫します。
(土から赤いラディッシュ根がふくらんできたら収穫のタイミングです。)
小松菜:ちょっとあれば・・・彩り華やか青もの葉物
プランターの準備:プランターに鉢底石を敷き、培養土を入れます。土を押し込まずにプランター側面を叩き、土を落ち着かせるようにしましょう。(縁から2㎝位の土のない余白を)
種まき:発芽適温 15~30℃ 生育適温 15~25℃
土に筋上の溝を作り、まく「すじまき」を行います。深さ1㎝程度の溝を作る。溝に約1㎝間隔で種をまく。
※「すじまき」の方法はラディッシュの「すじまき」同様に行います
種をまいてから3.4日程度で発芽します。双葉が開いてきたら最初の間引きを行いましょう。
3㎝間隔になるように、育ちの悪い芽を抜いていきます。間引き後は手で「土寄せ」をします。
土の表面が乾燥したら1日1回を目安にたっぷりと水をあたえましょう。
間引きの1週間後に化成肥料10g程度の追肥を施します。
本葉が7.8枚になったら2回目の間引きを行い、間引きした株は食べることができます。
収穫後の追肥はおこないましょう。
収穫:草丈が20~25㎝になったものから、順に収穫していきましょう。
株の根本をハサミで切り取るか、手で株ごと引き抜いて収穫します。
生育管理のポイント
水やりのタイミングと注意
種まき直後: たっぷりと水を与え、土を湿らせる(特に乾燥しやすい表面部分)。
霧吹きかおすすめです! ! ホースのヘッドにミストタイプがあれば広範囲の直播きには便利。種が流れないように注意してください。
発芽するまで:土の表面が乾かないように、軽く水やりをします。
べちゃべちゃにしすぎると、種が腐ったり、病気になりやすいので注意。
発芽後~成長期:葉が増えてきたら、土の中の水分を気にしながら、1日1回程度の水やり。
根を張るようにするために、適度な乾燥も重要です。
追肥の重要性と方法
種まき後、植物は成長に伴い土壌中の栄養素を消費します。特に窒素、リン酸、カリウムなどの主要な栄養素は、植物の生育におすすめです。元肥だけではこれらの栄養素が不足することが多いため、適切な時期に追肥を行うことで、植物の健全な成長をサポートします。
タイミング:
葉物野菜:本葉が3~4枚出た頃と、その後2週間おき。
根菜類:間引きをした後と、生育期間中に1回。
果菜類:本葉5~6枚の頃から、2週間おきに準備。
方法:
化成肥料なら株の周りに少量まき、軽く土に混ぜます。
液体肥料なら週1回程度、規定量を薄めにしてみて与えます。
有機肥料(米ぬか、堆肥など)は、発酵させたものを少量ずつ。
防虫対策と寒さ対策
防虫対策
3月は害虫が増え始める時期なので注意が必要です。
寒冷紗(ネット)をかける:アオムシ、ヨトウムシ、アブラムシの侵入を防ぎます。
コンパニオンプランツを活用:ネギやニラを近くに植えると害虫忌避効果あり。
木酢液やニームオイルを散布:自然由来の防虫剤を活用。
定期的に葉の裏をチェック:卵や幼虫を見つけたら早めに取りましょう。
寒さ対策
3月はまだまだ冷えます。以下の方法で対策を行ってください。
不織布やビニールトンネルを活用:保温しながら光を。
敷き藁をマルチングする:地温を好み、霜対策にもなります。
夜はポリカバーをかける(特に果菜類の苗)。
関東地方の3月は、日中は暖かくても冷え込むことがあります。そのため、追肥と合わせて防寒対策や適切な水やりも心掛け、健全な野菜作りを目指しましょう。
おわりに
時折、肌寒い陽気もありますが、日に日に春の訪れが感じられるようになりまたね。
屋外のプランターなどでもたねまきを始められる季節です。
ベランダや庭先、家庭菜園で家計にもからだにも優しいベジタブルライフをはじめてみるのはいかがでしょう?