蘭(ラン)には、着生ランと地生ランの2種類あることをご存知ですか?
今回は、着生ランの特性を活かした蘭(ラン)の板付けの方法をご紹介いたします。
着生ランと地生ランについて
蘭(ラン)には、着生ランと地生ランの2種類があります。
ランの板付けができるのは、着生ランです。
着生ランとは
着生ランの代表的な種類は、デンドロビュームやオンシジウム、胡蝶蘭(コチョウラン)、カトレアです。
土ではなく、樹木の幹や枝、岩や石に着生して成長するのが特徴です。
地生ランとは
地生ランは、自然の中に地生して成長する蘭(ラン)です。
地面・土に根を張り成長していくので、鉢などで育てることができます。
地生ランの代表的な種類はシンビジウム、パフィオペディラム。
着生ラン板付けで用意するもの
流木や自然な風合いの板に蘭(ラン)に根をはわせて付けることで、観葉植物として楽しむことが出来ます。
フォトスタンド風に置いて楽しめるような蘭(ラン)の板付けに必要なものはこちらです。
- 着生ラン
- 木の板
- 糸や紐(透明な糸、ビニール紐、輪ゴムなど)
- 苔
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今回は、デンドロビウムのグリーン愛という品種を使ってランの板付けをしていきます。デンドロビウムの品種の1つのグリーン愛は育てやすくて、寒さにも強いので板付けに適しています。
春に花が咲き終わった株を板付けにして観葉植物として楽しめるように作成していきます。
鉢から外し、株の状態を確認しましょう。弱っていたり傷んでいる部分があると、板付けしても板にしっかり根が付かなくなります。
そして、株をどの様に板に付けていくのか、配置を考えます。
小さな株の場合は、株分けせずに、そのまま板にくっつけていけます。
今回は株がもりもりな状態なので、株分けしながら板に付けていきます。
板付けするので、下の部分が大きくなるとバランスが悪くなってしまうので、株分けする時は元の土を少し取ってから分けてください。
株を分ける時は、手で分けましょう。ハサミを使って切って分けてしまうと、繋がりがなくなってバラバラになり板付けする時に株が小さくなりすぎてしまいます。
力が必要になりますが、ゆっくり手で分けます。
どうしても大変な場合は、ハサミを下から株の境目に入れて少し切ってから、ゆっくり手で割っていく。繋がりがあるところを無理に切るのではないので、バラバラにならずに分けることが出来ます。
蘭(ラン)を板に付ける時のポイント!
グリーン愛は新芽(薄い黄緑色)が多く出てくるのが特徴です。この新芽が来年の春にお花を咲かせます。
新芽が表にくるように板付けしてください。そうすると、新芽が外へ外へと成長していってくれます。
植物は外へ外へと成長していきます。鉢を割った場合は、内側ではなく外側に新芽が出ることが多いので、内側が板に接するように付けていきます。
板への貼り付け方は、板に対して上が良いのか、下が良いのか?斜めなのか?は好みで選んでください。
今回はシンプルに真ん中に付けていきます。
新芽の根は、根の下から出てくるのではなく、新芽のすぐ下の地際から生えてきます。この新芽の根がしっかり水分補給できるように、水苔を付けます。
水苔は裏側にも少し付けますが、たくさんは付けないようにしましょう。付けすぎると水苔の厚みで板にしっかり付かなくなってしまうからです。
糸で固定していきます。
今回は色が目立たないように、透明の釣りで使用されるテグスで張り付けていきます。
糸はビニール紐でも、輪ゴムでも何でも構いませんが、しばらくの期間、固定出来るものを選んでください。
糸を巻きつける時のポイントですが、水苔をしっかり固く巻きつける事を意識してください。
水苔の部分をキツくしっかり巻きつけることで、余分な水分を抜く意図もあります。
また、板と株もしっかり密着して付けることができるので、キツく巻きつけることがとても重要です。
板を揺らした時に、株がゆらゆらしない。しっかり糸で押さえられているのを確認してください。
ゆらゆらしていると、風でカンタンに剥がれてしまいます。
糸を結ぶ時は3回くらいしっかり結んで、糸がゆるまないことを確認してください。
数ヶ月立つと、根が板にしっかり張り付くので、糸は切って構いません。
着生ランの水やりについて
苔を触って湿っていたら水は与えなくてよいです。
着生ランの特徴として多くの水を必要としません。木に着生して成長していくのが本来の姿なので、鉢で育てるのは本来の育ち方ではないんです。
着生ランをダメにしてしまう一番の原因は水の与えすぎ。苔がカリカリに近い状態まで乾いてきたら、水を与えれば大丈夫です。
あげ方は、バケツに水をはったものの中に入れて、水苔が湿ったら水から出す。シャワーをかけたり、霧吹きをかけて水を与える方法でも良いです。
春夏は2,3日に1回程度、秋冬は一週間程度が水やりの目安です。水苔が固く乾燥するので、乾燥しきってから水分を与えてください。
葉を大きくしたいな、少し色が薄くなってきたなと思ったら、液体肥料を与えてください。
根の部分ではなく、上からかけましょう。
液体肥料の種類によって薄めて使用してください。着生ランは、あまり栄養を与えなくても成長するので、説明書より薄めて与えても大丈夫です。
まとめ
着生ランの特性を活かして、板に張り付けてインテリアの1つとしてお部屋に飾ってみてはいかがでしょうか。
時間の経過と共に、いろんな表情を見せてくれるのも楽しみになります。