ミニトマトは初心者も手に取りやすい、家庭菜園の定番野菜。
採れたての美味しいミニトマトが食べたくて育てたのに、食べてみたら
「あら?皮が硬いし口の中に残っちゃう…」とガッカリしたことはありませんか?
実際、こういった声が多いんです。
では、せっかく育てたミニトマトの皮が硬くなってしまう原因とその対処法についてお伝えいたしましょう。
原因1:皮が硬い品種を育てている
実は家庭菜園向けのミニトマトは、スーパーなどで売っているミニトマトに比べて、そもそも皮が硬い品種が多いです。特に初心者にも育てやすいと謳っている品種こそ、その傾向が強くなります。
トマトは乾燥状態から急激に多量の水を与えると皮割れてしまいます。それを裂果といい、降雨によっても浸透圧の関係で同様の事が起こります。
農家さんはハウス栽培をされていることが多く、雨が当たらない環境で水の量をしっかり管理できますが、プランターや外で育てることが多い家庭菜園では徹底して水の量を管理することは難しいですよね。なので雨が降っても裂果が起きない様に、比較的硬い皮の品種が家庭菜園向けに販売されているのです。
ですが、育て方を工夫して少しでも皮を柔らかくすることは可能です。
ミニトマトの品種選び――皮の柔らかいおすすめのミニトマト
1.ピンキー
薄皮ミニトマトの中では抜群の育てやすさで、各種病害に強く実も付きやすい初心者でも作りやすい品種。甘み、風味共に濃厚で口当たりも良く、お子様からお年寄りまで食べやすい人気種。
2.ぷるるん
KAGOMEさんが出している、皮が非常に薄くぷるんとしたさくらんぼのような食感の品種。若干生育は遅い。暑さや寒さに弱い傾向にあるが日当たりが良い育ちやすい場所に植えれば特に問題ありません。
3.トスカーナバイオレット
ぶどうのような食感の紫色のミニトマト。樹勢、草勢が強く裂果しやすいので窒素分をやや控えめにし、ミネラル成分多めの環境で育てるのがおすすめです。
その他.
赤い皮の色ではなく、オレンジ色や黄色のミニトマトも皮が柔らかい傾向にあります。
原因2:日光に当たりすぎている
ミニトマトの生育適温は21℃~26℃で程よい暖かさを好み、温度の変化には敏感で35℃以上になると生育がストップしてしまいます。また、連日気温が上がると日除けとして機能していた葉が萎れて丸まったりして果実に強い直射日光が当たることもあります。日焼けしたミニトマトの皮は固くなったり、裂果が発生しやすくなってしまいます。
また、水をやってもすぐに土が乾燥してしまい、水不足の状態になってしまい生育を鈍らせてしまいます。
ハウスで栽培されるものとは違い、屋外で育てられる事が多い家庭菜園では、夏の暑さと強すぎる日差しに長時間晒される真夏の露地栽培やコンテナ栽培ではその身を守るためにミニトマトが実をギュッと硬くしてしまうのです。
ミニトマトの真夏の日光対策とは?
とはいえ、日光が好きな植物ではあるので生育に必要な光線量は確保しなければなりません。遮光率30%を目安に日除けをしてあげて下さい。また、土にマルチをかけて乾燥を防ぐことも有効です。
プランター栽培
手っ取り早いのは、日が当たりすぎていると思ったらプランターを日陰に移動させることです。これが出来るのがプランター栽培の強みですよね。日陰が全然ないという場合は、遮光ネットやサンシェード、タープなどを使って日陰を作ってあげましょう。
露地栽培
真夏の気温対策は難しいですが、遮光ネットなどを張る事で真夏の強い日差しから防ぐことは出来ます。あまりにも高温になる土地では、真夏の収穫を諦め、秋に収穫がしっかり再開出来るように一度切り戻しを行っても良いでしょう。
ハウス栽培
ハウス内にこもった空気に強い日光が当たることで急激に温度が上がってしまう為、換気口を開けるなどして温度が上がらないように早めの換気を行いましょう。
point. 夜の気温が下がる秋のミニトマトは日光をよく当てて生長を促し、収穫を早めてあげましょう。
原因3:水が不足している
家庭菜園をしていると「甘く美味しいミニトマトを作るためには水のを与えすぎはNG」という情報を見たり聞いたりすることがありませんか。実行すれば確かに甘くなることはありますが、確実に皮は硬めに育ちます。生長に合わせた水の管理に気をつければ皮が硬くなることもある程度防ぐことができます。
適度な水やりのタイミング
種まき後~発芽
発芽までの間は用土が乾燥し過ぎないようにこまめに水を与えます。発芽して本葉が出るまでは乾燥に注意して用土が乾いたタイミングで水を与えましょう。
苗の植え付け後
根付くまでの間はこまめに水やりをします。水切れには注意が必要ですが、株が萎びてしまっても気温が高い時間帯の水やりは根が傷む原因になるので避けましょう。※軽く萎びる程度であればちゃんと戻ります
開花~果実がなるまで
土の表面が乾いたらしっかり水を与えて下さい(プランターなら底から水が出てくる程度)。ミニトマトの株は日中に育つので午前中の、気温が上がりきる前に水を上げましょう。葉先が枯れていたり、萎びて見える場合は水不足のサインです。
収穫まで
果実が生長するのは夕方~夜の間です。実が付き始めてからは日没前にも少し水を与えると生育を促します。この時注意して頂きたいのは水を与え過ぎないという事。午前中の水やりよりも少なめに与えます。
原因4:肥料が不足している
ミニトマトは早く生長させると柔らかくなります。肥料を程よく与えることで生育のスピードは上がります。肥料不足のままでは生育も遅く硬いミニトマトになってしまいやすいので適切に与えましょう。
肥料不足の見極め方
果実が大きくならない、果実が奇形、幹が細い、樹高が低い、下葉が黄色い、上葉の生長が芳しくない、成長点のすぐ下に花房が出来る
などが見られた場合、肥料不足である場合が多いので追肥を与えて下さい。
適切な肥料の与え方
ミニトマトは成長と共に与える追肥(ついひ)をメインとする為、最初に肥料をあげ過ぎないことがポイント。
植付けの際に与える元肥(もとひ)に使うおすすめは、有機肥料や緩効性化成肥料です。土壌に肥料を混ぜ込むのは植え付けの3週間前頃にして、しばらく寝かせると栄養を吸収しやすい培養土が出来ます。
追肥に使うおすすめの肥料は即効性があるものを使いましょう。根本から20cm程離れたところに2か所与えます。液肥(えきひ)でも良いのですが、根の先に栄養が行き渡るような感覚で広げて下さい。最後に必ず肥料の上から水を与えないと効果が遅くなってしまうので注意です。効果が現れるまで固形肥料で約2週間、液肥で約1週間掛かりますので焦らず様子を見て下さい。効果が出ないと思って追加で肥料を与えてしまうと肥料過多となってしまいます。
肥料を与えることにより生育を促しますが、皮の薄い美味しいミニトマトを作るうえで大事なのは日光と水の管理です。人間が辛い環境はミニトマトも辛いんだと思って育てると良いミニトマトに育つかもしれません。
原因5:実が多過ぎる
基本的には間引きの摘果(てきか)をしなくても良いのですが、果実数が多いと皮が硬くなる傾向にあります。果実自身で栄養を作り出せないので植物が蓄えた栄養を吸収して成熟していくのですが、果実数が多いと1つあたりの栄養が少なくなってしまいます。摘果をすることによって栄養分が増え、果実の品質が良くなるので、是非結実数を減らして皮の薄さと甘さを両立させましょう。
摘果(てきか)のポイント
果実がある程度大きくなったタイミングで、房の3~4個程(花数でいえば3~5個程度)を目安に摘果します。他の実が十分に育っているのに、はまだ開花中の花、または大きくなっていないものがあれば、そこを切り取るのも良いでしょう。
切り落とす時は清潔なハサミで軸から切るようにして下さい。
ある程度大きくならないと優良果と摘み取る不良果の見分けが難しいです。不良果とは萼片が大きすぎたり、奇形だったり、尻腐れになっていたりするものです。
皮が固く育ったミニトマトはやわらかくなる?
残念ながら、硬くなってしまった皮を柔らかくする方法はありません。
家庭菜園で育てるミニトマトの品種は味が濃くて加工にしても美味しく食べられるものが多いので、どうしても皮が気になるなら湯剥きで皮を取り除いて使ってあげましょう
まとめ
トマトの皮が固くなる原因がお分かりただけましたか?
一番大事で簡単なのは品種をしっかり選ぶと言う事ですね。
グリーンファームでは皮の柔らかい品種を始め、様々な特徴を持った品種をわかりやすくオススメしています。
グリーンファームショップでは皆さんに喜んでもらえる野菜苗を植え時期に販売しております。是非ご利用下さい。
⇩園芸のお買い物はコチラ